皆様、浅草に存在した太郎という猫をご存知でしょうか。
浅草には太郎という猫がもの数多く存在しそうですが、浅草で最も有名な太郎と言えば福猫の太郎です。
太郎はとある人物に拾われたことから、その人物に恩返しをしようとして、周囲の人々を巻き込んで様々な幸福を撒き散らした猫です。
その強い福のパワーは、浅草の町の人によく親しまれました。
今回はそんな太郎についてご紹介したいと思います。
浅草の人たちが愛して止まない太郎の物語の一端を垣間見てください。
太郎と浅香光代さんの出会い
太郎ははじめ、浅草の街を歩く1匹の野良猫に過ぎませんでした。
しかし、太郎はとある人物と運命的な出会いをすることにより、その福猫としてのパワーをいかんなく発揮する場に恵まれたのです。
街を歩く1匹の猫に過ぎなかった太郎が出会った人物とは一体誰なのでしょうか。
太郎の運命の歯車は、その人物と出会うことにより大きく回り始めます。
浅草のとある日、当代を代表する剣劇女優の1人が、自分が出演するする演劇のポスターを街に貼りに出かけました。
その人こそ、浅香光代さんだったのです。
浅香光代さんは当時すでに人気実力ともにナンバーワンと言われるほどの大人気女優でしたが、自分自身が出演する演劇のポスターは自分自身の手で貼っていたそうです。
こういったエピソードに浅香光代さんの人柄が表れていますね。
浅香光代さんのポスターを貼ってると、道の向こうから1匹の猫が浅香光代さんのこと見つめていたそうです。
浅香光代さんはなんて可愛らしい猫なのだろうと思ったそうです。
とその時、その猫が急に浅香光代さんのほうにトコトコと歩き始めました。
しかしながら 非常にタイミングが悪く、そこに1台の車が通りかかったのです。
浅香光代さんのほうに向かって歩いていた猫は、その車にはねられてしまいます。
それを見た浅香光代さんはポスター張りの仕事を投げ出して、その猫のもとに駆け寄りました。
これが、浅香光代さんとのちに太郎となる猫の初めての出会いでした。
怪我をした猫を見た浅香光代さんは、その足で動物病院へ直行します。
浅香光代さんの迅速な対応により猫は一流をとりとめました。
その後、その猫はギプスをつける生活を余儀なくされてしまったのですが それを不憫と思った浅香光代さんに引き取られることになります。
そして、浅香光代さんは猫に太郎という名前をつけました。
こうして浅香光代さんと太郎は一緒に暮らすことになったのです。
太郎が福猫とわかる
浅香光代さんは引き取った太郎と一緒に楽しく過ごしていました。
ある日、浅香光代さんが太郎をリハビリも兼ねて散歩に連れ出しました。
その時、浅香光代さんの手に抱かれていた太郎を見て、通りすがりの女性がこういったそうです。
「この猫は素晴らしい福猫だよ。額のところに小判の模様がある猫は福猫なんだよ」と。
これが、浅香光代さんが太郎が福猫だと初めて知った瞬間でした。
確かに、太郎の額には小判のような模様が刻まれていたのです。
そこから、太郎は浅香光代さん本人と周囲の人々に様々な幸福を呼び込むことになります。
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